TECMIRA GROUP EXECUTIVE
INTERVIEW
テクミラグループ トップ対談

「わからない時代」を
超えていく。

代表取締役社長 池田 昌史

代表取締役副社長 藤岡 淳一

変化の時代の進化。

池田2019年度には、キャッシュレスも日本はまだまだ難しいと議論されていたのが、2020年の新型コロナウイルスによって、いろいろなものを飛び越え本格的なリモートワークですら受け入れられようとしています。気候変動をはじめとする地球環境の激変が、経済から社会の隅々に至るまでを変えていくことを、我々は今、まざまざと体験している。この100年、人類が経験したことのない時代に突入しているのです。そう言う意味においても、2020年という節目にJNSホールディングス株式会社が立ち上がり、テクミラグループへと歩みを進められたことは大きな意味があると思います。

藤岡そうですね。我々は特にこの5年間、お客様と一緒に汗をかいてあらゆるものづくりに取り組んできました。ソフトウェア、コンテンツ、デバイスに至るまでアプローチも多岐にわたっています。それでも、グループ全体が溶け合うほどのシナジーを感じることができるようになったのは本当にごく最近のこと。苦労の連続でした。だからこそ今、これからさらに大きなシナジーを生み出していけるという確信があります。

池田グループ全体としては受託事業が大きな割合を占めていますが、そこも我々は言われたものだけをやるのではなく、全部こちらで考えてご提案するというスタンスを重視しています。一種のお節介ですね。お客様のさらに先にいるお客様から目を逸らさず、求めているものを形にしていくという理念がベースにあります。

藤岡海外、特に中国では時々、頼んでもいないものが勝手に出来上がってくることがあります。もちろん、仕様書がある世界で、これを勝手にやってコストを求めたりするのは論外ですが、時々その提案がユニークで魅力的に感じるのもまた事実です。特にDXに注目が集まりつつも、まだまだ慎重な姿勢を崩さない現在の日本には必要なことかもしれません。日本はサプライチェーンが完成されていて、細部に至るまで役割が明瞭なためサプライズが起きにくい。我々が専門家として「こちらにしませんか?」と自信を持ち、あつかましいくらいの熱量で発言することが、既存企業に対するDXの入り口になりうると考えています。

高度に融合された力。

藤岡テクミラグループの特長と言えるのが「自由」と「寛容」だと思います。私はグループ内でデバイス事業を牽引するJENESISを率いる立場でもありますが、本当にのびのびと経営判断をすることができています。それは、テクミラグループのお客様の多様性に起因していると言えるでしょう。歴史ある企業から、立ち上がったばかりの先端企業、規模が中小から巨大なところまで、本当に様々なケースに対応している。結果、我々のグループにも多様性と柔軟性が生まれています。

池田確かに、これまでも技術が足りないなと思うところを習得したり吸収しながら今の姿になってきたわけですよね。ネオスに関しても、ガラケー向けコンテンツやWEBソリューションを中心に展開していたフェーズから出資や提携を通じた技術系企業とのコラボレーションによって他社にはないリッチなコンテンツやミドルウェア、サービスを生み出してきましたし、市場の変遷とともに法人向けネットサービス支援へと事業領域を拡大する中でも、様々な企業との提携や人員・拠点の拡充によって時代のニーズに対応できるアセットを蓄積してきました。新しい可能性を広げていくためにも、社会が求めるものへの拡張には常に貪欲でありたいですね。

藤岡そして持株会社体制へ移行した今、ともに汗をかき、文化を共有していくことが重要であるということを改めて感じます。現状はすでに、日本を経由することなく、オフショア法人であるべトナムと深センだけでプロジェクトが完了するケースも出ています。国内の東京、札幌の開発力も増しており、体制は十分に強固になっていることを実感しています。

自走する集団。

藤岡2015年前後、我々は非常に苦しい時代を経験しましたが、それは同時に可能性に満ちていた時期でもあります。ここを乗り越えることができたのが、今のテクミラグループを形成する上で大きかったと思います。

池田スマートフォン市場の爆発的な拡大に端を発してビジネスモデルが大きく変わりゆくなか、ネオスとJENESISはともに荒波を乗り越えてきたわけですが、変遷が激しいこの業界では自走している状態の法人・個人が集っていることに価値があると思います。自走をする、シナジーも産む、この両立は本当に難しいものの、実現できたときのパワーが素晴らしい。我々に関して言えば、グループのコアであるネオスもJENESISも自走状態に入れたと判断したからこそ、テクミラグループへの階段が登れました。お客様のニーズと向き合い時代に求められるものを作り上げると同時に、加工できる技術を有しながらも新たな技術を貪欲に取り入れ続けた結果、新しいニーズが次々登場する”今”に答えられる組織力が充実してきたと考えています。

藤岡そうですね。社会変化が早く、次に何が起こるかの予測が難しい我々のビジネス領域は少なからず苦労の連続です。もちろん、法規制の緩和や、新しい技術の萌芽といった大きな流れはあります。しかし、コロナウイルスのようなものが登場しうる現代においては、予測したものを実行していくことと、変化に対応していくことを同時にこなしていくことが重要です。

池田次の「わからない時代」というものもまたすぐにやってくるでしょう。事実、これまでがその連続でした。だからこそ、アンテナを張り巡らせていなければならない。「わからない時代」にどのようなことがあるのかを予測して準備し、力を磨き上げ続けていくことがなにより重要なのです。それぞれが自走しながら共通認識と共通言語で会話し、シナジーを生み、力に変えていける機関としてのグループ。それが我々テクミラグループです。