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トップメッセージ

代表取締役社長(兼 ネオス株式会社 代表取締役 社長執行役員)池田 昌史

可能性に満ちた市場、エキサイティングな挑戦

2022年4月に発表した中期経営計画策定時、当社は成長戦略のコアに自社事業の強化を掲げました。
初年度を終えて、教育、ヘルスケア、決済、デバイス、エンターテインメントなどの自社事業分野を中心に実績が積み重ねられ、ノウハウが蓄積されました。
そして今、自社事業への取り組み体制を一層強化いたします。

テクミラホールディングス株式会社 代表取締役社長
(兼 ネオス株式会社 代表取締役 社長執行役員)
池田 昌史

ご挨拶

株主の皆さまには、日頃より当社グループの企業活動に格別のご理解、ご支援を賜り、厚く御礼申しあげます。

国内外での経済活動が本格化し半年以上が経過しました。世界は未だ、為替の不安定化、地政学的な変動、エネルギーの高騰など、数々の難題を抱えているものの、当社グループでは変化への適応が力強く進んでおります。

この三年は我々にとって大変厳しい期間でしたが、同時に、新たな自社事業への挑戦に加えて、事業のノウハウを蓄積し、基盤を徹底的に磨き続ける時となりました。以前は、デバイス開発、サーバー運用、システム実装、PRや販売ノウハウなど、我々が保持するノウハウは、法人のお客様を対象としたソリューションやプロフェッショナルサービスという形を中心に展開してきました。そのようななかで、新型コロナウイルス感染症が到来します。ソリューション事業は激動の波に飲まれましたが、結果的に自社事業への注力を加速し、実績が積み上がっております。結果として、2022年度は期首に発表した利益予想を大幅に上回る着地となりました。自社事業の成長が数字に貢献できたことは、中期経営計画で掲げた事業戦略の確かな手応えとなっております。

さらに現在の事業環境こそ、我々の企業価値を中長期的に向上させるための、攻めの戦略を実行する絶好期と捉え、2023年10月20日よりプライム市場から、スタンダード市場へと上場市場を変更することを決定いたしました。また、この機に、中期経営計画で新たに掲げた経営理念、TechnologyCreativeの融合によりmiracle(驚き)を与えるサービス、プロダクト、ソリューションを提供し、豊かで新しい未来を創造していく、という目標を改めて再認識し、グループ社員一同でこれを力強く推進していくために、持株会社名及び銘柄名の変更を行うことといたしました。当社は「テクミラ」ホールディングスとして生まれ変わります。株主の皆様には、一層のご理解、ご支援のほど、重ねてお願い申し上げます。

利益計画を上回る決算と、強みが顕在化しつつある手応え

2022年度は中期経営計画の初年度でしたが、中国におけるゼロコロナ政策終了に伴う大規模感染により、デバイス製造に大きな影響が出たこと、さらに、ビジネスイノベーション事業における、大口案件の受注が回復せず低調な結果となったことが主要因となり、売上高は前年対比で9%程度下回りました。一方、経常利益及び当期純利益に関しましては、予想を大きく上回り、来期に向けたさらなる利益拡大が現実的なものとなりました。

ライフデザイン事業の海外展開好調、コネクテッドソリューション事業が健闘

ポジティブな要因は増加しております。ライフデザイン事業においては、2021年度に販売開始したNintendo Switchソフト『クレヨンしんちゃん「オラと博士の夏休み」』のアジア版を、台湾、香港、韓国にて販売し、さらに欧米展開やPC版も発売するなど、予想を上回る出荷を達成するとともに海外事業展開、販路開拓をはじめ豊富なノウハウを蓄積することができました。ヘルスケアや教育、決済関連の各サービスも堅調に右肩上がりとなり、収益の下支えに貢献しております。

コネクテッドソリューション事業においては、ODM事業の堅調さに加え、2022年秋に販売開始したaiwaブランドによる自社プロダクト群の売上も増加傾向にあります。新型コロナウイルス感染症の拡大による中国工場の稼働停止、半導体の供給不足、為替の不安定化という厳しい事業環境下において黒字を維持できたことも強みです。さらに、本年3月には工場の拡張移転を実施し、生産基盤の強靭化にも取り組みつつあります。

また、いよいよ本格的なAI時代の到来を予見させるChatGPTなどの登場により、当社のAIチャットボット事業、AIソリューションへの注目が高まっております。自社事業の基盤強化と今後の成長にも道筋が立ち、2023年度に向けて当社グループの強みが顕在化しつつある状態で決算を迎えることができたことには大きな意味があると考えております。

各事業をアップデート 新たな柱「AI&クラウド」

2023年度は、各事業の成長基調と時代の変遷に鑑みて、事業セグメントの大幅なアップデートを実行します。3事業の中で現在稼ぎ頭になっている「ライフデザイン」事業をさらに強化し、旧ビジネスイノベーション事業のリソースを投入、自社サービス領域におけるソリューション体制を強靭化します。また、残りの旧ビジネスイノベーション事業のリソースをAI領域に集中し、新たに「AI&クラウド」事業を新設します。コネクテッドソリューションは自社事業の強化を見据えて、「コネクテッド」事業と改称します。

「AI&クラウド」への継続的な投資を実践

「AI&クラウド」事業に関しては、中期的に当社グループの新たな柱とするべく、積極的な投資を実施してまいります。1つはSaaS(Software as a Service)提供の強化、もう一つは新たなAIソリューションの開発提供となります。昨今、OpenAI社のChatGPTの登場が世界のさまざまな分野で話題となっておりますが、当社は以前からAIチャットボットの研究開発に取り組んできた経験を活かして、いち早くChatGPTのフル活用に舵を切っており、チャットボットサービス「OfficeBot」とのAPI連携や企業向けのChatGPT活用ソリューションの提供を開始し、多数の問い合わせが寄せられております。こうした状況を加速させていくため、内外のエンジニアを結集しAI分野での研究開発を強化、同分野における競争優位性の強化を図ってまいります。

戦略的なプロダクト提供とグループの新しい未来へ

2021年度以降、高成長が続くライフデザインセグメントでは、2023年度に新たなNintendo Switchソフトを発表いたします。2024年度以降も継続してタイトルを発表し、海外展開も継続していきます。また、コンテンツ事業以外の分野においても、新型コロナウイルス感染症によって国内でDX化が急速に進んだこと、新しい生活様式が普及したことで、教育分野、ヘルスケア、キャッシュレスなどの分野において需要が拡大しており、サービス事業においてさらなる成長が見込める状況となっております。また、同分野でのDX化については、まだこれからの部分も多く、自社事業の展開において多くのノウハウやナレッジを有している優位性を活かし、他事業分野のリソースをライフデザインセグメントの事業と融合させることで、同分野におけるソリューション事業の強化を実施してまいります。

コネクテッドセグメントに関しては、ODM事業について、インバウンド需要の回復などにより堅調な推移が予想されますが、これに加えてaiwaブランドでの自社製品事業の展開を加速してまいります。家電量販店などで展開しているタブレットやスマートフォンに加えて、新たな製品開発にも取り組んでおり、順次市場に投入を予定しております。ODM事業の回復と自社製品事業の成長により、2023年度は同セグメントのさらなる回復を目指してまいります。

中長期的な企業価値向上に向けて

こうした事業環境のなか、中長期的な企業価値の向上へ向けては、機動的な自社事業への投資を実践するだけでなく、新たな技術や知見を有するベンチャー企業を発掘/成長させるための投資の強化なども実践していく必要があります。一方で、本年1月に発表された東証によるプライム市場の経過措置の終了に関する内容からすると、プライム市場上場を維持していくためには、現在の当社の状況においては、先行投資やコストを抑えながら中期経営計画の数値目標を達成するための短期的な利益追求が求められます。これを踏まえ、この度当社は、投資や新事業への積極的な展開を通じて、中長期的な企業価値向上への多面的な取り組みが可能となるスタンダード市場へと、本年10月から市場変更いたします。同時に、株主の皆様に当社グループが目指すところをご理解いただきつつ、広く会社に親しんでいただくために、先に申し上げた、グループとして設定した経営理念から考案した社名「テクミラ」ホールディングスに生まれ変わります。株主の皆様におかれましては、どうかご理解を頂き、引き続きご支援のほどよろしくお願い申し上げます。