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トップメッセージ

JNSホールディングス株式会社 代表取締役社長 池田 昌史

予測不可能な時代
だから、思考を重ね最善を求め変革していく

JNSホールディングス株式会社 代表取締役社長池田 昌史

 ICT市場はさまざまな技術進化に加え、5Gの導入も始まり、世界規模でさらに変化が加速する。そのさなか、予想すらできなかった地球規模のコロナ禍。不透明さが増すなかで2020年はターニングポイントになる。

2020年2月期の連結業績ハイライト
売上高 10815百万円 前期比
+21.5
営業利益 875百万円 前期比
+371百万円
経常利益 852百万円 前期比
+371百万円
当期純利益 566百万円 前期比
+130百万円

※親会社株主に帰属する当期純利益

変革を重ね生き残ってきた

  • 持株会社への移行を決断されました。その背景から教えていただけますか。

    池田 情報通信市場は、急速な勢いでIoT化が進展しており、AI、RPAなどの技術進化に加え、5Gの導入などが相俟って、世界規模でさらに劇的に変化していくことが予想されます。当社グループは、IoTデバイスなどの「ハードウェアの設計、製造」から、サービスを行うためのプラットフォームやアプリなどの「ソフトウェア開発、運用」、さらに、教育、健康、ビジネスコミュニケーション、FinTechサービスなど、デジタル化をベースとした「コンテンツおよびサービス企画・開発・運営」の事業を営んでおり、それぞれの事業をスピーディーに成長させるとともに、変化する事業環境を踏まえながら、これらを有機的に結合することによって、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に対応した事業を拡大していくことが重要と捉えています。また、これらの基盤事業のスピーディーな意思決定に基づく成長加速とともに、激変する事業環境においては外部のさまざまな会社との業務提携や外部リソースの取り込み、新規事業の開拓など、M&Aを含めた資本、業務提携施策がますます重要となることが予想され、それに備えた体制を整えていくことも必要となります。これらを総合的に踏まえた結果、今後のさらなる成長加速と事業拡大に向けて、持株会社体制へ移行することが最適であると判断しました。

  • 創業15年という節目の年でもありました。今回の決断に至るまでの流れを振り返っていただけますか。

    池田 2004年の創業当時は3Gサービスが本格化しようという時期で、3Gの特性を活かし“コミックサービス”や“きせかえサービス”、“デコメアニメサービス”など、当時としてはリッチなコンテンツサービスの企画・開発が主軸でした。2008年にはマザーズに上場し、そのタイミングで技術系の子会社を吸収合併し社名もプライムワークスからネオスに変更。スマートフォンが急速に台頭してくる時期で、技術的なものとサービスやコンテンツが融合しないと乗りきれないという強い思いがありました。

  • 時代の流れをよんだ決断だったわけですね。

    池田 2010年後半からはスマホ市場が爆発的に拡大し、携帯電話業界に大きな変化をもたらしました。こういうなかで2012年には東証一部へ市場変更、ちょうどアップルやグーグル、サムスンなどの海外企業が台頭し、グローバル化の波が携帯電話業界全体のビジネスモデルを大きく揺るがし始めた時期です。この変革の波に乗りきれないモバイルベンチャーの多くが淘汰されていくなかで、当社はサービスカンパニーからソリューションカンパニーにシフトし、創業以来培ってきたサービス企画、コンテンツ制作、システム構築、アプリケーション開発などの総合力を活かして、通信キャリアのネットサービス化を積極的に支援する事業に乗り出し、さらにそれを多方面に拡大してきました。ここで得たさまざまな技術・知見を駆使して、リアル事業者のネットサービス化需要に対しても、トータルでサポートする事業を展開するとともに、自社においてもFinTechやEdTech領域でのネットサービスへの取り組みを行ってきました。

  • 常に変革のなかにあるという感じですね。

    池田 2018年3月には急速に拡大するIoT化の流れを捉え、株式会社ジェネシスホールディングスを子会社化して、デバイス事業を連結事業化しました。これにより当社グループは、ソリューション、コンテンツ、デバイスの三つの事業を併せ持つユニークなICT企業として成立することになりました。そして、今回の決断でいよいよ次のステージを目指す段階になったということです。

  • 決断の背景には数字の後押しもあったと思いますが、19年度は素晴らしい数字で着地されました。

    池田 予想数値はIoT市場の動向によりデバイス事業の受注が変動する可能性があることなどからレンジ方式を採用しましたが、結果として、各種IoTデバイスの売上高が予想を超えて大きく伸長し108億円を超えたことや、他事業においても収益性の向上を成し遂げ、営業利益についてもレンジの上方を超える8億75百万円という結果になりました。

  • 創業15年の記念配当も実施されると聞いています。

    池田 株主の皆様の日頃のご支援に感謝の意を表するとともに、当社の創業15周年を記念しまして、1株あたり1円の記念配当を実施することにしました。これにより、20年2月期の期末配当は、2円の普通配当とあわせて1株あたり3円になる予定です。

三事業のネットワークにより次のステージへ

  • 具体的な事業の推移はどうだったのでしょうか。

    池田 デバイス事業においては、急速なIoT化の流れを受けて売上は前年比20%増で推移しました。ソースネクスト株式会社の「POCKETALK」やJapanTaxi株式会社の「決済機付き車載サイネージタブレット」など、IoT機器製造案件が増加しました。これらの需要拡大に対応するために、中国・深圳工場の生産体制を強化するとともに、宮崎のカスタマーサポートセンターの拡張移転、人員拡充を実施しました。同センターでは自社の【neoスマボ(ネオスマボ)】を使ったBOTサポートも開始しており、グループのシナジーを活かした展開を図っています。

  • ソリューション事業はいかがでしたか。

    池田 ソリューション事業においては、技術力を上げ品質を強化し収益性を上げるために開発基盤の整備に取り組み、オフショア開発の拠点であるベトナムの現地法人に増資し人員の拡充を図るとともに、札幌市内に分散していたオフィスの整備・統合、開発機材の刷新を図りました。自社プロダクト・サービス事業においては、政府のキャッシュレス化促進対策もあり、電子マネー決済サービスがホームセンターや飲食店チェーンなどを中心に、導入店舗が拡大しました。ビジネスコミュニケーション領域においては、チャットボットサービスの製品力を強化しユーザー拡大に取り組みました。

  • コンテンツ事業はどんな推移でしたか。

    池田 コンテンツ事業においては、キッズ/教育分野に注力しており、政府主導の幼児教育無償化や小・中学校にPCを一人一台配備するGIGAスクール構想など、教育現場のICT化の流れを受け、数年来リソースを投入し続けてきた成果が今期において結実し、収益面でも成果を上げてきました。また、ヘルスケア事業においては健康経営の推進、ストレスチェックの義務化など、政府主導の動きが活発化しており、健康事業をサポートする健康増進ソリューション【RenoBody】ウォーキングイベントサービスの採用が拡大しており、健康経営を推進する150を超える企業や団体で導入されています。

  • 2020年度期初からは二つのセグメントで業績を開示されると聞いています。

    池田 当社グループは「デバイス」、「ソリューション」、「コンテンツ」を併せ持つ他社にはない独自性があります。従来はそれぞれ独立して事業を推進してきましたが、この三つの要素を有機的に結合、いわばネットワークすることにより、デジタルトランスフォーメーションの時代における新しいタイプの事業体に飛躍していくことができると考えています。この考えに基づき、手段としての3つの事業というセグメントから、アウトプットとしての2つの事業という概念に事業セグメントを括りなおしました。
     一つがデバイスソリューションとソフトウェア開発およびシステムインテグレーションなどのサービスソリューションをあわせた「DXソリューション事業」、そしてもう一つが、教育、ヘルスケアなどのコンテンツサービスや電子マネー決済、ビジネスコミュニケーションなどの「X-Techサービス事業」の二つのセグメントです。

    事業セグメント

どんな状況でもICTニーズを発掘していく

  • 時々刻々状況は変化していますが、新型コロナウイルス感染症への対応はいかがですか。

    池田 日本でも感染者数は拡大しており、緊急事態宣言の発出や大規模経済対策など、さまざまな政策が相次いで打ち出されている状況にありますが、感染の収束、経済の本格的回復までには、長期間を要することも予想され、それを踏まえたうえで対策を講じていくことが重要と考えています。当社従業員やその家族、顧客、取引先、社会などに対しては、リモートワークやビデオ会議などの導入によるセキュリティを考慮した感染症防止対策を徹底しております。また、ICT企業ができる貢献として、当社チャットボット技術を用いた、厚生労働省などからの公開情報に基づく「新型コロナウイルスQ&Aチャットボット」の提供や、児童の在宅時間長期化に対する知育アプリの無償提供拡大など、当社グループでできることを率先して実施しております。

  • 事業への影響も憂慮されます。そこはどう捉えられていますか。

    池田 「DXソリューション事業」においては、デバイス生産拠点である中国・深圳工場が新型コロナウイルスの影響を受け、2月、3月は生産活動が停滞していましたが、現地のサプライチェーンも徐々に復旧し、現時点においては、通常操業時とほぼ同等の状態に回復しています。供給サイドの不透明さが解消されつつあるなかで、需要サイドの日本市場の見通しは、インバウンド関連の需要が人の移動の制限から停滞するものと見込まれます。一方でさまざまな企業の新規IoTサービスへの取り組み意欲は極めて旺盛であり、これらの新規案件を積極的に取り込むべく営業強化に努めていきたいと考えています。サービスソリューション領域については、日本経済の動向や顧客企業の動向により変動を受ける可能性がありますが、DXソリューション全体の市場は中・長期的にはさらに拡大していくと捉えており、新たな顧客の開拓や、リモートワークなどの現在の事業環境に対応したICTニーズの発掘に注力することに加え、デバイスソリューションとサービスソリューションの営業活動を同期するなかで、ハードからソフト・サービスまで総合的に提供できるという当社グループの強みを活かした案件開拓にも取り組んでいきます。

  • X-Techサービスはどうでしょう。

    池田 「X-Techサービス」においては、キャッシュレス化や教育現場のICT化、健康経営など、政府主導の動きが活発化しており、FinTechやEdTech、HealthTechサービスに今後プラスの方向に働いていくものと捉えていますが、新型コロナウイルス感染症の影響でリアル現場の混乱が続いており、導入が遅れる懸念もありますが、反面、家庭向けの知育アプリやNintendoSwitch向けソフトなどのデジタルコンテンツが、在宅時間の増加に伴い利用が増えている状況にあり、今後も認知、体験を通じて順調に拡大するものと見込んでいます。企業向けサービスについては、政府の推進を背景にニーズは潜在的には高いものと判断しており、ネット営業の強化などの販売施策により需要を捉えていきたいと考えています。

  • 連結業績予想はレンジ幅がありますが。

    池田 2021年2月期の連結業績予想については、新型コロナウイルスの影響による社会経済活動の回復度合いが極めて不透明であることを踏まえて、業績予想のレンジ幅を大きくもたせております。

連結業績予想
  • 2020年は変革の年になりそうですね。最後に一言お願いします。

    池田 数か月前には予想もしなかった新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による影響が、まだまだ不透明な状況にありますが、身上である粘り強さ、しぶとさで事業運営に取り組んでまいります。株主の皆様には、ご理解と変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 
     また、新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方々にはお悔やみを申し上げますとともに、罹患された方々には謹んでお見舞い申し上げ、一日も早いご快復を心よりお祈り申し上げます。